【2-3-1】 弥兵衛平湿原

弥兵衛平湿原-2006年6月-(その9-芽生え)

芽が伸びてしまった!
2006年の作業は、凍上防止用に昨秋被せてきた筵はずしから始まった。 ロープウエーやリフトは6月1日から運転を開始したが、スタッフの都合で 実際の作業は6月8日になってしまった。 心配していたとおり、芽はかなり伸びており、筵1枚被せたところではこのように 筵を突き抜けて緑の葉を見せていた。
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03年播種区(中央の1列)
03年播種区の筵は乱れていなかった。いち番手前は発芽した植物のないところで、筵はかけていない。 筵を被せた部分の手前半分は筵を3枚被せており、ミヤマイヌノハナヒゲとミカヅキグサ中心の播種区。 奥半分は5枚被せており、ミタケスゲ播種区となっている。
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03年ミタケスゲ播種区
筵を外したミタケスゲ播種区である。5枚の筵の下でややモヤシ状に伸びたミタケスゲが沢山出てきた。 これから強い日差しの下で大丈夫か心配された。凍上の被害は見られなかった。
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03年ミヤマイヌノハナヒゲ・ミカヅキグサ混合播種区
筵3枚を外したところである。 よく見ると細い葉が伸びているのだが、ミタケスゲに較べて非常に繊細なため、 少し離れるとほとんど見えない。 しかし、密度も十分にあり、凍上被害もなく、あまりモヤシにもなっていないので、 これからの成長が楽しみである。
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04年播種区(2列)
筵はやはり乱れた様子もなく、整然としていた。 向かって左側、手前から筵0枚、3枚、5枚区。右側は、手前から1枚、2枚、2枚となっている。
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04年播種・筵なし
発芽して2年目を迎えたが、密度・成長ともに良好で、すでに5~6㎝伸びたものもある。
筵を被せなかったのに凍上被害も見られず、植生復元には好都合であったが、筵の凍上防止効果は検証できなかった。
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04年播種・筵3枚区
03年播種のミタケスゲほどではないが、やはり筵の下である程度伸びてややモヤシになっていた。
特に目立っているのはほとんどミタケスゲで、ミヤマイヌノハナヒゲなどはもともと細いためあまり目立たない。
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04年播種・筵5枚区
上の筵3枚区に比べ、成長がやや劣るが、やはりややモヤシになっていた。
3枚区よりも成長が劣るのは、厚い筵によって日光がさえぎられ、地温上昇が妨げられたためではないかと推測された。
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05年播種区
昨年播種したばかりなので、凍上防止対策もしていない。 全部で5列(約30㎡)に播種後、3列は植生マット2枚、残り2列は植生マットが足りなくなったため1枚のみで マルチングし、越冬させた。 まだほとんど伸びていないため、発芽状態の確認もできなかった。
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