弥兵衛平湿原の観察会   2012年8月19日


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本日は,採種作業の予定でしたが,国立公園内の作業の許可手続きが遅れ
採種ができませんでしたので,むしろなどの荷揚げ作業と,一般の参加者
は観察会として実施しました。
午前7時20分にロープウェイ湯元駅集合です。
このときは,雲一つない晴天でした。21名の参加でした。

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健脚班がリフト終点から一足お先に出発です。
健脚班は,むしろなどの荷物を荷揚げして,さらに名月荘まで足を延ばす予定です。
女性2名も加わっています。

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本隊も人形石に到着です。

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青柳代表が湿原の植生を説明しています。
この池塘の中にはミヤマホタルイがたくさんあります。これはイグサの仲間です。
池塘の周囲には,希少植物のミカエリスゲも生えています。

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弥兵衛平湿原の最初の復元地(第1復元地)で昼食をして,その後に青柳代表から説明です。
植生復元の播種は,ミカズキグサ,ミヤマイヌノハナヒゲ,ヌマガヤ,ミタケスゲ,
ミヤマホソコウガイゼキショウを採種して行っています。
でも,第1復元地では,これらに加えて,播種していない植物が多数出現しています。
自然の力での植生回復が軌道にのってきたと思われます。

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こちらは第2復元地での説明。
ここは,播種して間もないので,播種した植物が多く見られ,それ以外はあまりありません。
なお,中央の植生がまったく見られない部分は,泥炭層も破壊されて,植生回復が困難であり
現在のところ手をつけられない状態です。

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第2復元地の植物のクローズアップですが,後方には,もくもくと雲が湧いています。
下界の米沢では,午後2時頃から1時間ほど,強風が吹き荒れ,雨も降ったそうです。
幸に,ここ吾妻連峰の天上界では,雨も雷もありませんでした。

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湯元駅の解散式。路面が濡れて,確かに雨が降ったことを確認できました。

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これはハイマツなのか,キタゴヨウなのか。
青柳代表から詳しく区別の方法について説明がありました。
ハイマツとキタゴヨウは,葉では区別ができません。
名前のとおり,ハイマツは低く地面を這い,キタゴヨウは直立するのですが,
多雪地では,キタゴヨウも積雪の圧力で地面を這い,ハイマツのような樹形になります。
区別の要点は,松ぼっくりの中の種にひらひらと翼があるのはキタゴヨウ,翼がなければ
ハイマツ(ただし,短い翼のある両者の雑種もある)なのだ。

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ミズゴケの中にモウセンゴケがあります。
モウセンゴケについても青柳代表から説明がありました。
モウセンゴケは,「コケ」ではありません。
コケは胞子や無性生殖で子孫を増やし,花が咲きません。
しかし,モウセンゴケは,立派な花が咲きます。つまり,「コケ」ではないのです。

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これは第2復元地にあったコケの胞子嚢(?) 何のコケなんでしょうか?

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エゾオヤマリンドウは,まだつぼみの出始めでした。
この次の採種作業日(9/2)には満開で出迎えてくれることでしょう。