高山の原生林を守る会と斜平山の合同観察会 (1/2)   2013年5月12日


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2013年5月12日(日)NF米沢と高山の原生林を守る会の合同観察会がありました。
観察場所:米沢市 斜平山の笹野山から愛宕山の中腹(中道)一帯
午前8時,大森山森林公園に集合です。福島勢は,福島を午前7時に集合して現地にきました。
お天気は,みなさんの心がけを反映して,好天で観察日和でした。
観察コースは,大森山森林公園から,大森山の林道を上り,中道との合流点から南に向かい
中道南端まで観察し,そこから中道を北に戻りました。

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大森山の林道を歩くと,早速に,アブラチャンのお出迎えです。
いっぱいに小さな黄色の花をつけています。
変わった名前ですが,樹木全体に油分が多く,アブラジシャと呼び,これが転じて
アブラチャンとなったと言われています。一斗の実から4升の油がとれるそうです。

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高山の原生林を守る会の会員は,皆さん熱心で,一つ一つ,ルーペで精密に観察します。
オクチョウジザクラのがく筒などを観察しています。
牧野植物図鑑によると「チョウジ」はこの桜のがく筒から花のつきかたが,
香料の「丁字」の形に似ているからといいます。

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タムシバもたくさん咲いていました。
タムシバは,もくれん科の木で,コブシやキタコブシと似ています。
タムシバの語源は,牧野図鑑によると「カムシバ」の転化だそうです。
カムシバは,葉をかむと甘いのでついた名だそうです。

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アオイスミレ 葉が巻くのが特徴だそうです。
フタバアオイの葉に似ているからアオイスミレだそうですが,
植物名を命名する人の想像力に感心します。

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カタクリも満開で,あちこちに自然のカタクリ園が開園してました。
例年より開花が遅れて,ちょうど満開でした。

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カタクリの葉は,普通,上の写真のように茶色のふが入っています。
しかし,斜平山では,こんなふうに茶色が入らないものも多くあります。
福島では見かけないそうです。

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オトメエンゴサクも多数咲いていました。オトメエンゴサクについては,今回の観察会の
リーダーの佐藤守さん(高山の原生林を守る会会長)が詳しく説明しています。
それによると,最近、エゾエンゴサク類の研究で大幅な進展が見られ、本州に分布する
エゾエンゴサクとされていたタイプは北海道のタイプとは異なることが特定され、
オトメエンゴサクと命名された。
オトメエンゴサクは日本固有種であり、その生態的特性は不明な部分が多いと言う。

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オトメエンゴサク

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オトメエンゴサクの群落

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キバナノアマナ

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キクザキイチゲ

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ツノハシバミの雄花と雌花

高山の原生林を守る会と斜平山の合同観察会 (2/2) に続きます。