【2-2-1】弥兵衛平湿原弥兵衛平湿原の植生復元の試み(その1-荒廃前と後の様子)
1965年8月の弥兵衛平
古いので、色彩が変化しているが、その当時の弥兵衛平は美しかった。 木歩道はまだなかったので、縦走登山路に沿って幅数mの踏み跡ができ、植物の枯死が目に付いたが、泥炭層の剥離や流失はまだほとんど見られなかった。 初めて木歩道が設置されたのは1973年といわれている。
1999年秋の弥兵衛平の姿
木歩道は朽ち果て、登山道に沿って泥炭は流失し、母岩があらわれ、水みちとなっている。 一部に粗朶柵を設けて流水の勢いをそぐ試みがなされているが、湿原の崩壊をとどめ得るものではない。 この年、弥兵衛平の自然環境修復に関する検討委員会が設けられ、12月に答申書 が出された。
洗掘されてまるで川原のよう。雨水はこの水みちを通って流れ去り、湿原は次第に乾燥する。
健全な部分も水の浸食を受け、いずれは左のように母岩が露出し、湿原は失われていく。
|