【2-3-2】弥兵衛平湿原弥兵衛平湿原-2006年8月-(その10-生育状態)
2006年8月15日に、今年度の種子採取に先立って果実の登熟度合いを見たり、播種範囲を確認したり、
筵外し以後の03,04,05年度播種区の成育状態を記録するための視察を行った。
03年播種区(全体) ミヤマイヌノハナヒゲ・ミカヅキグサ播種区もミタケスゲ播種区も、成育順調で穂をつける株も表れた。 ただいずれも播種範囲の東側(写真に向かって左側)が株の密度が低く、雨水などで西側に少しずつ流された可能性がある。
03年ミヤマイヌ播種区
03年播種区のミヤマイヌノハナヒゲとミカヅキグサ中心の播種区。 密度の高いところではこのようにミカヅキグサの白い穂が多数みられ、 それほど目立たないがミヤマイヌノハナヒゲの穂も少数確認できた。
03年ミタケスゲ播種区
ミタケスゲ中心の播種区である。少数だが穂をつけた株が見られた。(写真中央部のやや上) 04年播種区(全体) 濃淡はあるが、全体に緑が目立ってきた。概ね筵を2枚以上被せたところで生育がよいようである。 また、ここでも播種区ごとに東側(写真に向かって左側)の成育密度が低く、土地が東側から西側に傾いているので、 発芽前の種子が雨水などにより流されている可能性が大きい。 04年播種区(近接1) 04年以降はすべて混合播種しているが、ここではミタケスゲとミヤマホソコウガイゼキショウが目立っている。 特に後者は写真のように沢山穂をつけており、今後の緑化の加速が期待される。 04年播種区(近接2) 上と同じ条件のところであるが、こちらはミタケスゲが目立ち、しかも成長のよい株はほとんど果実をつけている。 播種後2年でここまで成育するとは想定外で、嬉しい誤算であった。 成長の遅れている株も来年以降に期待したい。 05年播種区(右端を除く) 昨秋播種したところで、遠目にも薄く緑が見えるようになった。 05年播種区(近接1) 植生マット2枚で被覆したところである。やや密度は小さいが、100c㎡あたり10~20株ほど見られる。 05年播種区(近接2) 場所によってはこのようにかなり密生して発芽・成育しているところもある。 ただし、最も東側に播種した2列は植生マットを各1枚しか被せていなかったためか、今年の発芽状態はあまりよくない。 今年の播種に際してはそのような発芽密度の低いところには再度補充的な播種をすべきかもしれない。 |