【2-3-3】弥兵衛平湿原弥兵衛平湿原-2006年8~9月-(その11-採種~播種)
06年度の種子採取-1
種子の採取は昨年同様2回実施した。このスナップは1回目、8月26日に名月荘付近でミタケスゲの 果実を採っているところである。 ミタケスゲはこのように湿原の荒れたところに多く生育し、先駆種としての役割を果たしているので、 裸地化した泥炭の緑化には適していると思われる。 参加人数は30名。 06年度種子採取-2 9月2日、2回目の種子採取を実施した。参加人数28名。 種子採取には必ず湿原内に立ち入らざるを得ないので、同じ場所を何人もが踏みつけることのないように、 参加者全員に細心の注意をもって行動するようお願いしている。 県境を越えての採種 縦走路に沿って人形石を東へ下ったところの湿原はミヤマホソコウガイゼキショウが群生しているが、 ここは福島県側に入る。 そこで山形県知事が福島県から種子採取の許可を得て我々が作業をしている。 木歩道上の紙がその許可済標識である。 播種のため現地へ向かう 06年9月30日、秋色深まる山頂付近を弥兵衛平に向かう一行。 目的はもちろん今年度最後の作業となる播種とマルチングのためである。 2回の採種によって集められた果実は全種混合で約39万粒。概ね昨年並みなので、昨年同様に約30㎡に播くことにした。 播種作業開始 全種を混合してビニール袋に小分けしたものを各班に配り、播種作業を開始した。 今回はもはや試験的な播種ではないので、裸地化した泥炭を東端からすべて埋め尽くすような播きかたをした。 ついでに、前年度播種区などで、発芽密度の低かったところへは補充的に播き足したところもある。 隙間を埋めるように播種 これは03年度播種区と05年度播種区の間の20㎝ほどの隙間に播種しているところである。 筵かけ作業 今回播種したところすべてを植生マット2枚ずつで覆い、さらに凍上防止のため過去の播種区すべてに筵を2枚ずつ被せた。 最後の仕上げ 風や水で飛ばされたり流されたりしないように、コの字形の鉄ピンでしっかりと留める。 手前側の植生ロールに沿ってやや暗色のところがあるが、今年播種し、植生マットで覆っただけのところである。 06年度作業完了 2006年度の播種とマルチング作業が完了し、例年にないすっきりとした仕上がりに、期せずして全員から拍手が沸きあがった。 2007年6月初めの筵外しと夏~秋の植生回復の姿を見るのが楽しみである。 ただし、山形県は今年度をもってこの事業から手を引くということなので、今後どうするか、見通しがもてなくなった。 |