【2-3-5】 弥兵衛平湿原Ⅱ.下見とモニタリング
9月2日(日)に総勢10名の参加者を得て植生回復状況をを記録するモニタリングを実施したが
その4日前、8月29日に準備のための下見をした。この頃は果実の登熟も進み植生回復の 実態を把握するには最も適切な時期と判断される。以下に、8月29日の写真を中心にした 植生の全体像と、9月2日のデータ中心のモニタリング結果を記述する。 1.植生回復の全体像 上の写真の手前が04年播種区、奥の緑の濃い部分が03年播種区、それ以外が05年及び 06年播種区である。成育状態は不揃いでまだら模様になっているが過去の失敗例と 比較するならきわめて良好な状態と見ることができる。 上の写真2枚は04年播種区の近接撮影である。左は特にミタケスゲやミヤマホソコウ ガイゼキショウの多くの株が多数の果実をつけ、今後の拡大再生に期待を抱かせる状態を 示している。また右の写真は遠目には密度が低く見えるところであるが、成育の遅れてい るミタケスゲ、ミヤマイヌノハナヒゲなどのほかに、播種をしていないモウセンゴケなど が多数入り込み、自然な回復の過程に乗りつつあることを示唆している。 03年播種区はミタケスゲ播種区とミヤマイヌノハナヒゲ(ミカヅキグサを含む)播種 区に分かれているが、どちらも上の写真のようにきわめて良好な成育を示している。 下の写真はそれぞれ05年播種区と04年播種区であるが、密度も十分で成長も順調に 推移しているように見える。 2.モニタリング モニタリングは、昨年度橋本氏等が実施した植生調査を引き継ぐものであるがNF米沢としては 初めての取り組みとなる。実施日は9月2日、参加者は10名(内宮城県から3名)であった。 まず上図のように2003年播種区~2006年播種区のそれぞれに、成育が平均的なところを 2ヶ所ずつ目視で選んで定点を設け、そこに50㎝四方の木製方形枠を置いてデータをとり また写真撮影をした
次の写真2枚は、それぞれモニタリング中のスナップである。
データをとる上で困難を感じたことは、05年以前の播種区には筵を1枚ずつ残したために 筵の下で成長している植物の評価はある程度推量するしかなかったことである。 モニタリングの結果については3年程度以上の経過を経てから公表したい。 |