【2-3-4】 弥兵衛平湿原

弥兵衛平2007年6月(筵撤去作業)

 昨2006年度の播種は10月2日に行ったが、その際2005年度以前の播種区すべてを筵2枚で
覆い、凍上防止を図った。2007年度最初の仕事はこれらの筵を撤去する作業である。
作業は、天元台のロープウエー・リフトの運行開始が6月1日なので、なるべくそれに近い日と
いうことで、6月2日(土)に実施した。

1.凍上防止効果
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上の写真のごとく、凍上防止用の筵は全く乱れていなかった。写真の手前側と左端の
一部(やや暗色)は2006年度の播種区なので、筵は掛けていない。

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しかし筵がないと、緑化ネットを押さえていた鉄ピンが5~10㎝ほど押し上げられており
(写真上)、昨年と違い、この冬はかなりの凍上があったことがわかる。

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筵2枚で被覆した2005年以前の播種区は、鉄ピンの状態から凍上は5㎝以下と判断されたが
筵の末端部では右下の写真のように10cmもの凍上がみられ、そのことから逆に筵2枚の
凍上防止効果を確認できた。


2.発芽状況
picture 昨年は6月8日に筵撤去を行ったが、筵を3~5枚被せたところではその下でモヤシ状の
新芽が数センチ伸びだしていた。今年の筵撤去はそれより1週間近く早まっているが
記録的小雪だったことから雪解けも早まり、筵の下での芽の伸長が懸念されていた。

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04年播種区でも状況はほぼ同じである。特に筵の端では、成長して凍上の影響を、あまり受けなく
なった越冬株から10cm前後の若葉が伸びだしていた。種類はミタケスゲやヒメイなどであった。
3.筵の残置
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昨年から話し合われていたことであるが、新芽が伸び始めている状態で筵を全部撤去
することは、新芽を機械的に傷めたり、モヤシ状態のものを直射日光で焼いたりして
その後の成長に悪影響を及ぼすことが懸念される。そこで今年は最下の1枚をすべて
残し、その下の2枚の緑化ネットとともに夏の日除けに活用することとした。
写真は、04年播種区で2枚ずつ被せた筵の1枚を外しているところである。