【2-2-3】 弥兵衛平湿原

弥兵衛平湿原の植生復元の試み(その3-発芽の様子02年~04年)

[試験区 播種2年後(1)(2002年8月22日)]
picture ここは高密度区である。この年6月に来たときも芽生えがすでに緑色に見えていたが、そのときより成長したようだ。 ただし昨年の同時期と比べると多少大きくなっているが成長著しいとは言えず、株数はむしろ減っているようだ。

[試験区 播種2年後(2)]
picture 上の高密度区を近接撮影したものである。株が高密度で寄り合っているところはやや成長が良いが、 疎らなところでは成長が悪く、 中には黄色に枯れているものも少なくない。 中密度区と低密度区はかなり株数が減少していた。(写真は省略)

[試験区 播種3年後(2003年8月30日)]
picture 試験区全体の写真である。高密度区を含めて多くの株が枯死または成長停止状態になった。 ここで非常に気になったのは、植生マットの繊維がかなり傷んで、泥炭表層がほとんど透けて見える状態になったことである。 つまり、ここで用いた植生マットの品質ではマルチング効果は3年で失われたことになる。

[試験区 播種4年後(1)(2004年7月12日)]
picture 植生マットはすでに用を成さず、遠目にもほとんど泥炭の色と変わらない。 試験区内の植物は中には生き残ってやや大きくなったものもあるが、ほとんどが枯死し裸地状態となった、 この試験区は失敗したとみなされた。
[試験区 播種4年後(2)(生き残ったヌマガヤなど)]
picture わずかに数株ずつ生き残ったヌマガヤなどはやや成長し、植物の特徴がわかるようになった。 しかし、植生マットの保護なしで来年も生き残っている保証はない。